Oracle Database 19c 学習と資格取得ガイド
Oracle Database 19c の知識を深め、資格として客観的に証明するための方法をまとめる。
Oracle Database 19c について
Oracle Database 19c は、Oracle Database 12c Release 2 の最終長期リリース(Long Term Release)として位置づけられている。2027年4月までプレミアサポートが提供される安定版。
19cの主な特徴
- 自動インデックス作成: 機械学習を活用した自動インデックス管理
- Real Application Testing: ワークロードのテストと検証
- Active Data Guard DML Redirection: スタンバイDBでの更新操作
- Data Guard Multi-Instance Redo Apply: 高速なフェイルオーバー
Oracle 認定資格の国際的価値
Oracle認定資格は世界共通の資格であり、国際的に高く評価されている。
グローバルで認知される理由
| 観点 | 説明 |
|---|---|
| ベンダー公式 | Oracle Corporation が直接運営する公式資格プログラム |
| 世界統一基準 | 試験内容・合格基準が全世界で同一 |
| 市場シェア | Oracle DB は企業向けRDBMS市場で世界トップクラスのシェア |
| 多言語対応 | 試験は英語・日本語など複数言語で受験可能 |
国際的な評価
- Fortune 500企業の多くがOracle DBを採用 - 金融、製造、通信、政府機関など
- グローバル企業での求人要件 - 海外の求人でも「Oracle Certified Professional」が条件に挙げられることが多い
- 転職市場での評価 - 日本国内だけでなく、アジア、欧米でも通用する資格
他のDB資格との比較
| 資格 | 発行元 | 国際認知度 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| Oracle Certified | Oracle | ★★★★★ | エンタープライズ市場で最高評価 |
| Microsoft Certified (SQL Server) | Microsoft | ★★★★☆ | Windows環境で強い |
| AWS Database Specialty | Amazon | ★★★★☆ | クラウド環境に特化 |
| PostgreSQL Certified | EDB | ★★★☆☆ | OSS分野で成長中 |
資格の信頼性を担保する仕組み
-
Pearson VUE での厳格な試験管理
- 世界共通のテストセンターまたは監視付きオンライン受験
- 本人確認、不正防止の仕組み
-
CertView での検証可能な証明
- Oracle公式サイトで資格の有効性を第三者が確認可能
- デジタルバッジ(Credly)での共有機能
-
定期的な試験内容更新
- 新バージョンに対応した試験が追加される
- 技術の陳腐化を防ぐ
ORACLE MASTER と国際資格名称の関係
ORACLE MASTER は日本独自のブランド名であり、国際的には使われない。ただし、試験自体は世界共通である。
| 日本での呼称 | 国際的な資格名称 | 試験番号 |
|---|---|---|
| ORACLE MASTER Bronze DBA | Oracle Database SQL Certified Associate | 1Z0-071 |
| ORACLE MASTER Silver DBA | Oracle Database Administration I | 1Z0-082 |
| ORACLE MASTER Gold DBA | Oracle Database Administrator Certified Professional | 1Z0-082 + 1Z0-083 |
結論:どちらを目指すべきか
試験は同じなので、どちらでも問題ない。
- 日本語で受験 → 合格証には「ORACLE MASTER」と記載
- 英語で受験 → 合格証には「Oracle Certified Professional」と記載
- CertView で確認できる資格情報は世界共通
英語が使えるなら、英語で受験することを推奨:
- 国際的な履歴書・LinkedIn - 「Oracle Certified Professional」の方が通じやすい
- 最新情報へのアクセス - 英語の方が情報が早く、量も多い
- 試験対策教材 - 英語の方が選択肢が豊富(Udemy、公式ドキュメントなど)
- 実務での英語 - エラーメッセージやドキュメントは英語が基本
重要: 試験番号(1Z0-071, 1Z0-082, 1Z0-083)は世界共通。どの言語で受験しても、取得する資格の価値は同じです。
Oracle 認定資格体系
Oracle Database に関する資格は段階的に取得していくのが推奨される。
資格ロードマップ
Oracle Database SQL Certified Associate (1Z0-071)
↓
Oracle Database Administration I (1Z0-082)
↓
Oracle Database Administration II (1Z0-083)
↓
Oracle Database 19c Administrator Certified Professional
推奨資格
1. Oracle Database SQL (1Z0-071)
難易度: ★★☆☆☆(入門)
SQLの基礎を問う資格。Oracle Database を使う全ての人におすすめ。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 試験時間 | 120分 |
| 問題数 | 63問 |
| 合格ライン | 63% |
| 受験料 | 約34,300円(税込) |
| 有効期限 | なし |
出題範囲:
- SELECT文の基礎と応用
- DML(INSERT, UPDATE, DELETE, MERGE)
- DDL(CREATE, ALTER, DROP)
- 単一行関数、グループ関数
- 結合(JOIN)
- サブクエリ
- 集合演算子
2. Oracle Database Administration I (1Z0-082)
難易度: ★★★☆☆(中級)
DBA(データベース管理者)の基本スキルを証明する資格。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 試験時間 | 120分 |
| 問題数 | 65問 |
| 合格ライン | 60% |
| 受験料 | 約34,300円(税込) |
| 前提資格 | 1Z0-071推奨 |
出題範囲:
- Oracle Databaseのアーキテクチャ
- インスタンスとデータベースの管理
- ストレージ構造の管理
- ユーザーとセキュリティの管理
- バックアップとリカバリの概念
- データの移動
- CDB/PDBの管理
3. Oracle Database Administration II (1Z0-083)
難易度: ★★★★☆(上級)
高度なDBAスキルを証明する資格。これを取得すると「Oracle Database 19c Administrator Certified Professional」となる。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 試験時間 | 90分 |
| 問題数 | 50問 |
| 合格ライン | 57% |
| 受験料 | 約34,300円(税込) |
| 前提資格 | 1Z0-082必須 |
出題範囲:
- RMAN(Recovery Manager)
- フラッシュバック技術
- データベースの診断とチューニング
- Data Guard
- データベースの複製
- 暗号化とセキュリティ
学習方法
公式リソース
-
Oracle University
- 公式のオンライントレーニング
- Oracle Learning
-
Oracle Documentation
- 無料で閲覧可能な公式ドキュメント
- Oracle Database 19c Documentation
-
Oracle Live SQL
- ブラウザ上でSQLを試せる無料環境
- Live SQL
推奨学習ステップ
Step 1: SQL の基礎固め(1-2ヶ月)
1. SELECT文の完全理解
2. 各種関数の習得
3. JOINとサブクエリの練習
4. DML/DDLの操作
おすすめ教材:
- 『Oracle Master Bronze DBA 2019 完全詳解+精選問題集』
- Udemy の Oracle SQL コース
Step 2: アーキテクチャの理解(1-2ヶ月)
1. インスタンスとデータベースの違い
2. メモリ構造(SGA, PGA)
3. バックグラウンドプロセス
4. ストレージ構造
Step 3: 実機での練習(継続)
1. Oracle XE(無料版)でのハンズオン
2. Docker環境での構築練習
3. バックアップ・リカバリの実践
ハンズオン環境の構築
Docker を使って無料で学習環境を構築できる。
# docker-compose.yaml
services:
oracle-19c:
image: container-registry.oracle.com/database/enterprise:19.3.0.0
restart: unless-stopped
ports:
- "1521:1521"
- "5500:5500"
environment:
ORACLE_SID: ORCL
ORACLE_PDB: ORCLPDB1
ORACLE_PWD: YourPassword123
ORACLE_CHARACTERSET: AL32UTF8
volumes:
- oracle19-data:/opt/oracle/oradata
volumes:
oracle19-data:
⚠️ Oracle Container Registry へのログインが必要。
docker login container-registry.oracle.com
試験対策のポイント
1Z0-071(SQL)のコツ
- NULL の扱いを完璧に理解する
- 日付関数の動作を把握する
- DECODE と CASE の違いを理解する
- 集合演算子(UNION, MINUS, INTERSECT)の特性
1Z0-082(DBA I)のコツ
- アーキテクチャ図を描けるようにする
- CDB/PDB の概念を実機で確認する
- バックアップの種類と用途を整理する
- データディクショナリビューを覚える
1Z0-083(DBA II)のコツ
- RMAN のコマンド体系を実践で覚える
- フラッシュバック機能の種類と制限
- Data Guard の構成要素
- AWR/ADDMレポートの読み方
受験の流れ
-
Oracle.com アカウント作成
-
CertView でプロファイル設定
-
Pearson VUE で予約
- テストセンター or オンライン受験(OnVUE)
- Pearson VUE
-
受験・結果確認
- 試験終了後すぐに合否判定
- CertView で公式証明書ダウンロード
学習スケジュール例
| 期間 | 目標 | 学習内容 |
|---|---|---|
| 1-2ヶ月目 | SQL基礎 | SELECT、JOIN、関数、サブクエリ |
| 3ヶ月目 | 1Z0-071受験 | 問題集で演習、弱点補強 |
| 4-5ヶ月目 | DBA基礎 | アーキテクチャ、管理操作 |
| 6ヶ月目 | 1Z0-082受験 | 実機演習、問題集 |
| 7-9ヶ月目 | DBA応用 | RMAN、Data Guard、チューニング |
| 10ヶ月目 | 1Z0-083受験 | 総仕上げ |
関連トピック
- Oracle Database 基本用語 - CDB/PDB、TNS、リスナーなど
- Oracle XE - 無料の学習環境
- Oracle EM Express - Webベースの管理ツール
- SQL*Plus - コマンドラインツール